
「ピンポイントで確実に脂肪を減らせる」と評判になったことから、2015年~2017年に絶大な人気を誇り…消えていったハイフ(HIFU)。
なぜ、ハイフの人気が急落したのかというと「エステでトラブルが多発したから」です。
今となってはハイフという言葉をエステで聞くことは滅多にありませんが、まだハイフを使用した施術を行っているサロンもあります。
この記事では、ハイフが脂肪を減らす仕組み、トラブルの原因となった危険性の部分、そしてハイフと違い安全に脂肪を減らすことができるマシンの存在など、ハイフをエステで受ける前に知って欲しい事をまとめました。
ハイフの仕組みと効果
エステのハイフとは、クリニックで使用されていた(HIFU)の技術を応用したことで生まれた美容マシンです。
仕組みとしては、虫眼鏡で太陽の光を集めるように超音波の熱を皮膚の下に集めることで脂肪を除去していきます。
顔用と身体用では超音波の熱を集める場所が違うため、効果も少し異なります。それぞれの効果についてお話していきますね。
顔用ハイフは小顔効果が得られる
エステの顔用ハイフは少ないですが、「ウルトラCiリフト」を例にとると皮膚の下1.5mm、3.0mm、4.5mmに超音波の熱を集め、65~70℃にします。
小さなダメージを受けた皮膚や筋肉は引き締まり、たるみが無くなりリフトアップできることから、小顔効果が得られます。
身体用ハイフは狙った部位の脂肪が減らせる
「ウルトラハイフ」や「ディフォーカス」に代表される身体用のハイフは狙った部位の皮膚の下1.3cmに超音波の熱を集め、脂肪を56℃以上にします。
ダメージを受けた脂肪はアポトーシスと呼ばれる細胞の死が起こりやすくなり、自然の代謝で1ヶ月~3ヶ月かけて脂肪が減っていきます。
セルライトの改善もでき、たった1回でもサイズダウンできることで注目を集めました。
エステのハイフはトラブルが多くてリスクが高い
2015年ごろから効果の高さで人気になったハイフでしたが、トラブルが多く2017年3月には国民生活センターが注意を呼び掛けています。
エステサロン等でエステティシャン等による HIFU 機器を用いた美容施術を受けたことにより、危害を生じた事例が寄せられています。HIFU 施術による侵襲行為は、医師の医学的知識や技能を必要とする施術であり、医師以外の者による施術は絶対に受けてはいけません。
ハイフのトラブルで多いのは熱傷(火傷)です。他には顔にブツブツができた、頬の神経の一部を損傷したというケースもあります。
皮膚の表面は傷つかず内部での火傷になるため、火傷の治りが遅く顔に傷が残ったケースもあるようです。
クリニックよりも出力が弱い事から適切に行えばエステのハイフは安全とされますが、エステティシャンの知識不足やミスでトラブルが起こる可能性があり、リスクが高いためハイフはおすすめできません。
仕組みがはっきりしない「脂肪を減らせる」を謳い文句にしたエステに注意
現在はハイフを前面に出すエステサロンはほとんどありません。
ただ、「高密度焦点式超音波」や「ハイフ」という言葉を使わないだけで、今でもハイフを扱っているエステはあります。
実は、この記事は注意喚起される前の2016年9月に書いたものを修正しています。
当時ハイフを扱っているおすすめ先として紹介していたエステサロンの一部は、現在も「サーマルウェーブにより脂肪が減らせます」など言葉を変えてハイフを行っているようです。
また、ハイフは最先端のマシンのため高額で、例えば「ウルトラハイフ」なら320万円もしました。
そのため、2017年に注意喚起されてから中古として出回り、「脂肪を減らせる」マシンとして取り入れている中小規模のエステサロンもあるようです。
ハイフは今回文中に出てきたマシン以外にも「サーマルハイフGショット」「HIFU4D MAX」「she lineダブロボディ」などたくさんの種類があります
仕組みがよく分からない脂肪を減らすマシンが出てきたら「マシン名+ハイフ」で検索してハイフではないかを確認してみてくださいね。
ハイフよりもキャビテーションのほうが安全でおすすめ
ハイフと同じく超音波による脂肪除去を目的としたマシンとして、キャビテーションがあります。
キャビテーションの安全性については以下の記事にまとめてあります。
キャビテーションは2013年に日本で広まって以来、トラブルもないまま、いまも継続的な人気を保っています。
まとめ
元々、ハイフはキャビテーションの人気がヒットしたことから「キャビテーションよりも効果が高い!」を売り言葉として流行りました。
そして、安全性を無視して効果ばかりを追ったことで、今回の記事内でご紹介した残念な結果へとつながりました。
現在もエステ業界には、ハイフのように最新技術を取り入れたマシンや施術方法が常に出続けています。
いままで見たことも聞いたこともなかった最新技術に興味が湧く方も少なくないでしょう。
しかし、最新技術であればあるほど、それに比例して体験者も少なく、まだ世に出ていない潜在的なリスクがあることも、今回の記事を元に知っていただければと思います。